胆振東部地震から1年 一人ひとりに寄り添った支援で復興を⑤

 

 昨年9月6日の胆振東部地震からもうすぐ1年が経とうとしています。大きな被害を受けた厚真、むかわ、安平3町と大規模な液状化被害を受けた札幌市清田区の各議員、全道を回った畠山和也・前衆院議員の手記から現状と今後の取り組みを探ります。

 

粘り強く、復興と再生に取り組む――畠山和也 前衆院議員

 

 キャラバン先の洞爺湖町で感じた強い揺れが、まさか1年も、さらに今後も復興に時間がかかる大地震とは思いもよりませんでした。当時の衝撃や今なお続く困難を忘れることなく、引き続き力を尽くします。

 手記を寄せた各議員の自治体のほか、北広島市大曲地域でも大規模な地盤沈下や陥没、日高町でも長期の断水や避難指示がありました。全道的な被害は死者43人・負傷者782人、住家は全壊469棟・半壊1660棟・一部損壊1万3849棟にものぼります(今年3月末時点)。

 地震直後の混乱にブラックアウトも重なって、被害の把握や情報の集中には困難がありました。そのなかでも日本共産党は議員と支部のネットワークの力が発揮され、どの町でも貴重な役割を発揮しました。伊藤富志夫・厚真町議が、地震発生時からの情報や連絡を書き溜めた「命のメモ」を見たときには胸がいっぱいになりました。

できる限り元の生活へ 国の取り組みが決定的

 

 いま復興へ向けて大事なことは、政治・行政の姿勢です。時間が経つにつれて体調や家庭環境も変われば、要求や将来への考えも変わっていきます。できる限り元の生活へ戻れるようにするのか、制度の壁を理由にあきらめることを強いるのか、政治の姿勢によって生きていくことへの意欲も変わってきます。

 とりわけ住宅への支援が重要で、国の取り組みが決定的です。全国的にも強い要望である被災者生活再建支援金を引き上げることはもちろん、一部損壊家屋へも使える支援制度の新設や、災害救助法で認められている応急修理費用の拡充なども検討課題です。

 きめ細かい支援をおこなう体制が必要なのに、国が公務員減らしの旗を振ってきたために、自治体で十分な対応ができない場合もあります。

 一方で、全国で自然災害が相次いでいるため研究者や民間ボランティアでの支援の蓄積もされてきています。国が福祉や土木などの専門職員を計画的に増やすことと合わせて、官民協力のあり方も検討されてしかるべきかもしれません。

防災・減災――きめ細かい対応の具体化を

 

 今回の地震を教訓に、防災・減災のとりくみも急ぐ必要があります。例えば緊急避難所ひとつ取っても、福祉避難所や母子避難、ペット対応なども含めて、きめ細かい対応の具体化が急がれます。

 今ある災害時の支援策も、多くの被災者や住民が声をあげて実現の道を開いてきたものでした。被災者だけの課題でなく、いつ自然災害が起きるかわからない時代にいる今、すべての方が「自分の問題」として声をあげることが大切です。私も粘り強く、復興と再生に向けた活動に取り組みます。