日本テレビの情報番組「スッキリ」が放送したアイヌの人たちを傷つける差別的な表現をめぐり、日本共産党の紙智子参院議員は17日、放送局を管轄する総務省地上放送課、内閣官房のアイヌ総合対策室から政府の対応について聞き取りしました。

 紙議員は、アイヌ総合政策の担当閣僚である加藤勝信官房長官の対応を聞いたところ、アイヌ総合政策室が口頭で放送内容にアイヌの人を傷つける極めて不適切な内容があったこと、原因究明、再発防止策の検討を番組側に伝えたことを明らかにしました。

 紙議員は、「今回の差別表現には驚いている」と指摘。麻生太郎副総理の「2千年の長きにわたって、一つの民族、一つの王朝が続いている国はここしかない」(昨年1月)とアイヌの人たちの誇りや人権を傷つける暴言などが「繰り返し起こっています」とし、再発防止を求めました。

 「こういった事案が起こらないように政府部内で検討する」と答えるにとどめるアイヌ総合政策室の担当者に対し、紙議員は、アイヌ新法(2019年成立)の「差別を根絶する実効性ある具体的措置を講ずる」などを記した付帯決議も示し、「政府がアイヌの人たちに謝罪しないことが繰り返される根本原因ではないか。アイヌの人たちの歴史、苦難、文化、考え・思いを理解して広げていく必要があります」と強調しました。

(「しんぶん赤旗」3月18日付より)