日本共産党札幌市議団は、3月30日の市議会本会議で2021年度予算の組み替え動議を提案しました。

 組み替え動議は、不要不急の大型開発や市民合意のない事業等の予算を削減し、新型コロナウイルスへの対策や市民のくらしと営業を守る予算へ振り分けることを求めています。

アクセス道路、新幹線延伸、オリパラ見直しを

 提案説明に立った小形香織市議は、総事業費1200億円以上かかる都心アクセス道路調査費や新幹線延伸に伴う予算や都心再開発事業費、オリンピック・パラリンピック関連予算、マイナンバーにかかわる歳出などの削減を求めました。

 その上で、新型コロナの感染拡大を防ぐ対策として、月1回の医療機関や介護、障害者施設の職員に対するPCR検査の頻度を2回に引き上げることや療養型医療機関、入所型介護施設以外の医療・介護施設職員への月2回以上のPCR検査の実施、変異株感染を防ぐための検査の増強、持続化給付金の対象から外れる事業者等への給付金の支給などを求めました。

感染拡大防止、市民の暮らし、福祉が最優先

 賛成討論に立った太田秀子市議は、アクセス道路調査費に関して「市民合意を得ておらず、都心計画審議会でも議論が尽くされていない」と強調し、新幹線延伸工事で出る有害残土の処分地や処分方法に関して「受け入れ候補地となった周辺の住民から、強い反対の声が上がっている」と指摘しました。

 最後に太田市議は、「2021年度予算は、感染拡大防止策と市民の暮らし、福祉、教育などが最優先でなければなりません。市民の切実な願いに応えるとともに、不要不急の大型再開発計画や、市民合意のない事業を見直すことが緊急に求められている」と訴えました。

 動議は、自民、公明、民主、市民ネットの反対で否決。29日に開催された予算特別委員会も含めて、質疑の申し出がなく、同日の本会議で否決されました。

 市議団は村上仁団長の声明を出し、「10年後の北海道新幹線開業を前提とした不要不急の大型開発事業ではなく、いまコロナ危機で苦しんでいる市民への支援策が求められている。動議で掲げた提案の実現にむけて、市民のみなさんと力を合わせて、引き続き全力を尽くす」ことを表明しました。

――「ほっかい新報」4月11日号より――