質問する池田市議

 2月25日に開かれた札幌市議会で日本共産党の池田由美市議が代表質問に立ち、コロナ禍にもかかわらず都心アクセス道路などの大型開発優先の市の姿勢をただしました。

国任せの姿勢浮き彫りに

 池田市議は、コロナの影響で地方税の納税猶予が1991件となり、その額が約39億3千万円にものぼっていることや国保料の減免申請数が2万1574件となっていることなど、札幌市民のくらしや営業に大きな影響が出ていることを指摘。

 コロナ対策の充実とともに、「まちづくりを支えている事業者の事業継続そのものを直接支援する給付型の支援制度が必要」「18歳までの均等割軽減の対象拡大を国に求めるとともに、市独自の軽減策を」など、くらしを支える支援策を求めました。

 しかし、市側は「新たな給付型支援の実施や対象期間の延長などについて国に要望していく」「均等割軽減は、国の責任において全国一律で実施すべきもの」と国に求めるだけで独自支援については言及しませんでした。

 また、PCR検査のさらなる拡充が必要との質問に対し、市は「療養型の医療機関や高齢者施設等の施設の職員を重点的に、定期的なスクリーニング検査をしっかりと実施していきたい」と述べました。

 後日の委員会での佐々木明美市議の質問に市は「施設に併設されているデイサービスの職員について、柔軟に対応していく考え」と、各施設の実態に応じた対応を示しました。

大型開発の予算 そのまま

 一方で、市は1200億円かけて進める都心アクセス道路建設や北海道新幹線延伸を見すえた都心再開事業、冬季オリンピック・パラリンピック誘致関連事業などに巨額の予算を計上しています。

 池田市議は「予算の概要では、保健所から57億の予算要求が出されていたにもかかわらず、まずは6カ月分と、29億の予算になっている。一方で市民の命や健康にかかわる保健所の予算を減らしながら、他方で大型開発やアクセス道路の予算は予算通りに組んでいる。これでは市民理解が得られない」と追及しました。

[傍聴記]学生の苦難に寄り添う姿勢を

 コロナ禍で多くの市民が苦境に直面するなか、「国任せ」の答弁に終始する札幌市の姿勢は、学生支援の面でも露わになりました。

 池田市議が、江別市のように学生を対象にした独自支援を求めたのに対し、市は「実態把握を務める」「国への働きかけや各種団体などとの連携」と答えるだけでした。

 しかし、生活費や授業料をアルバイト代で補っていた学生が多くいることから、実態が深刻なのは明らかです。民青道委員会が行った学生食料支援でも「学校からの支援金選定に落ちた」「食費が足りない」などの声が出されています。そもそも、新年度が迫る中で今から実態把握をするというのでは、とても間に合いません。

 市民のくらしと命最優先の市政へと、軸足を転換することが求められています。

(高野)

――「ほっかい新報」3月14日号より――