「はたろぐ」12月17日より

 観光関連業への支援策を具体化せず、菅政権が「Go To 停止」を決めたことに「経営が持たない」と悲鳴が上がっています。北海道有数の温泉観光地の洞爺湖町、第1次産業が基幹産業の伊達市や豊浦町を日本共産党の畠山和也前衆院議員が17日、訪ねました。

 「Go To 事業」で週末を中心に観光客が増えてきたという洞爺湖温泉街。年間79万人の観光客が今年は25万人前後、町商工会の試算では、60億円近い経済損失に。関連産業の減収を含めると町の一般会計73億円を超えるほど。そこに急きょ「Go To 停止」が決まりました。

 「補助金を使って湖上の花火打ち上げをすると決めたばかり。年末年始は閑散となってしまう」と洞爺湖温泉観光協会の大西英生会長。洞爺観光ホテルの三浦和則社長も「債務返済もあり、融資を受けることは厳しい。閉めるという中小規模ホテルも出てくる」と危機感を募らせます。

 有珠山噴火や北海道地震を乗り越えてきた同町。両氏は、今の苦境のもとでも「一緒に働いてきた仲間を守りたい」との思いをこもごも語りました。「町で他に働く場所もないのに、仲間を切ることはできない」「雇用調整助成金の特例は2月末ではなく延長を。”Go To”は6月まで延長を決め、ちぐはぐです」

 洞爺湖商工会の鈴木雅善会長も「雇調金特例の延長を」と畠山氏に要望し、商品券など地域経済を支える施策を進めるためにも「実情を知っている地方自治体への臨時交付金を増やすことが必要です」と訴えました。

 影響は、ホテル・旅館へ食材を供給する分野に広がっています。

 「豊作のためか、本州では野菜の価格が下がり、加えて『Go To 停止』。年明けに影響が出てこないか」と語るのは伊達市農協の松本喬一副組合長。「伊達野菜」と銘打ったハウスの野菜を栽培している農家が多くいます。

 ホタテ養殖が主要産業の豊浦町。原因不明の斃死(へいし)が続いたところにコロナ禍による輸出減少と価格下落という二重三重の打撃を受けました。

 村井洋一町長は「続くと、若い漁師が『続けられるだろうか』と考えてしまう」と国の支援を求めました。

 状況をメモにした畠山氏は「自己責任でなく、今こそ政治の責任が問われています。国政に反映させます」と応じました。吉野英雄伊達市議、立野広志洞爺湖、山田秀人豊浦両町議が同行しました。

(「しんぶん赤旗」12月23日付より)