紙智子議員は23日の参院沖縄北方特別委員会で、歯舞群島や国後島などの元島民の後継者の訪問拡充などを求めました。

 紙氏は、戦後75年をへて歯舞諸島の太平洋側と国後の海岸が浸食され、元島民の家や倉庫があった地域が海に沈むなどの実態を千島連盟から聞いているとして、調査を要求。河野太郎沖縄北方担当相は「今後も墓参などの事業を円滑に行っていくには、現状把握は大切だ」と答えました。

 紙氏は、元島民から自由訪問は2世までだと聞いたとして、後継者の訪問拡充を要求。河野担当相は「次の世代が訪問できるような枠組みをしっかりつくっていかなければならない」と述べました。

 紙氏は、運用益の減少による事業費不足から原資を取り崩して事業を進めている「北方領土隣接地域振興等基金」について、原資取り崩しで従来の事業予算の不足分には活用できたものの、1市4町で単年度4億円程度しかなく新事業に着手できないとして、改善を要求しました。河野担当相は「令和3年(2021年)度も同じ規模を見込んでいる」と答弁。紙氏は必要な財政措置を求めました。

(「しんぶん赤旗」4月1日付より)