「誰もが生き生きと暮らせる社会を」――と、小樽市で6月27日、LGBTQ+への理解を広げる「小樽プライド」が開催されました。昨年に引き続き2回目の開催です。

 同市内外から当事者や支援者約30人の参加者が集まり、音楽を流しながらレインボーのフラッグや横断幕を掲げて商店街や運河周辺を1時間かけてパレード。沿道からフラッグを振って声援を送る人や店の中から出てきて手を振る人など多くの市民から注目されました。中には、パレードの列に飛び入りで参加する人もいました。

楽しく朗らかに歩こう

 マイクを握った加藤太郎(仮名)さんは、参加者を前に「人口11万人もいる小樽市では、当事者はたくさんいるはず。自分の人生なんて価値がないんじゃないか、と悩みを持っている人がいる。一人で孤独に悩みを抱えている人に、こんなに仲間がいるんだよというメッセージを伝えたい」とスピーチ。

 また、「小樽は歴史もあっていい街だけど、LGBTQフレンドリーじゃない」と強調し、「様々なバックグラウンドを持っている人たちが、同じパレードをする、この姿が小樽の未来を象徴している。楽しく朗らかに歩きましょう」と力を込めて訴えました。

 初めてプライドに参加したという大学1年生の2人組は「楽しかった。もっとこういう流れが広がればいいなと思います。子どもの頃は全くこういうことを学ぶ機会がなかったので、小学校からもっと多様性について教育してもらえれば理解が広がると思う」と話していました。

早くパートナーシップ制度の実現を

 小樽プライドを企画したのは、小樽市内でゲイカフェ&バー「鯉櫻」を営む高橋祐一さん。アメリカで30年暮らしていた経験もあり、「日本は50年遅れている」と言います。

 「ゲイの町と呼ばれているサンフランシスコのプライドパレードは、町中がレインボーに染められる」とパレードの注目度や背景にある当事者への理解の違いを話した高橋さんは、「札幌は2017年に制度をスタートさせて、もう4年。小樽でも早くパートナーシップ制度を実現してほしい。それが今の一番の願いです」と語りました。

 パレードに参加した日本共産党の高野さくら小樽市議は「市議会でパートナーシップ制度導入を求めても前向きな答弁ではなく、孤独感を感じることもありました。しかし、パレードに参加して、誰もが生き生きと暮らせる社会を望んでいる市民は多くいると改めて感じました。今後も粘り強く頑張ります」と話しました。

――ほっかい新報」7月18日付より――