「はたろぐ」9月11日より

 政府が農と食のあり方を大きく変質させる種苗法の改定を狙うなか、日本共産党の紙智子参院議員と畠山和也前衆院議員は11日、北海道当麻町の有機農業の生産者を訪ね、聞きとりをしました。

 農家が「登録品種」の収穫物の一部を種苗として使うのを「原則禁止」とする改定案。化学肥料や農薬を使わず環境負荷を低減させる有機農業では、日常的に自家増殖・自家採種を行っており、種苗法改定の影響が懸念されています。

 農業生産法人「当麻グリーンライフ」は、ほ場117ヘクタールのうち65ヘクタールで米や露地野菜、施設野菜、牧草を有機栽培し、加工場も有機JAS認定を受けています。米の「ゆめぴりか」のほか、韃靼(だったん)そばや野菜も自家採種している瀬川守代表は「自家採種や株分け、脇芽挿しなどの自家増殖で、地域の特性が反映した農作物を作ることは本来、農家のだいご味です」と話します。

 自公政権は、主要農産物種子法廃止と農業競争力強化支援法によって、国や自治体が持つ種苗の知見を民間企業に提供するよう求めています。紙氏は「農家は自家増殖によって地域にあった種を作ってきました。グローバル企業に日本の種子市場を明け渡すわけにはいきません」と力を込めました。

 瀬川氏の案内で米やトマト、ナスを自家採種している農家を訪ねました。

 トマトは10品種ほどで自家採種を試し、何年もかけて固定種を探し出しました。今では全国の消費者に宅配しています。

 農業ハウスでのトマトと人参、大豆の「輪作」などで栽培方法を工夫し、「農薬を使わないから生物の種類が多い。病気にもかかりにくい」と。米の「ななつぼし」も自家採種して13年ほどになり、「土壌や気候を反映した米になっている」と言います。

 畠山氏は「農業の基本を学びました。第1次産業が国の土台となるよう力を尽くします」と話しました。

 紙、畠山両氏、田村貴昭衆院議員秘書ら一行は、「ゆめぴりか」などのブランド米を育成した道立総合研究機構・上川農業試験場(比布町)を訪問し、育種についての説明を受けました。

(「しんぶん赤旗」9月16日付より)