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注目される市長の政治姿勢

 

  二〇〇三年6月に上田文雄市長が誕生して丸三年がたちました。札幌市政は、これまでの自民党市政・「オール与党の市政」から大きく変わりました。日本共産党は国の悪政がすすむなか、自治体が「市民を守る防波堤」という本来の役割を発揮するよう、上田市政にたいして市民の利益になるものには賛成し、そうでないものには反対という「是々非々」の立場をとってきました。上田市政を検証しました。

 

  これまでの札幌市政は、戦後初の高田市政(弁護士出身)を除き、原田市政以降は、三代四十四年間市役所の職員・助役出身の市長で政府追随の自民党を中心与党とする市政が続いてきました。
  自民党中心の「オール与党」体制のゆきづまりの中、全国的にも異例の市長再選挙をへて誕生しました。弁護士出身市長としての新市政と、以前の自民党主導の市政との最も大きな違いは、上田市長の政治姿勢とその実践です。

 

▼自民党主導市政との違い

 

  三年前の市長選で上田氏は基本姿勢として、@市民参加のための「徹底した情報提供」A市民と職員の提言が生かされる「対話の市政」B市民の力を生かし自治の息づくまちづくり「脱・不公平が基本のまち」をかかげました。実際に、各地で市民対話(タウンミーティング)を行うともに、市民団体・組織が希望すればに懇談し要望を聞きました。
  政党との関係でも、年四回の定例議会ごとに共産党を含めた各政党・会派との提出議案の説明と懇談を行うことなどをつらぬいています。これまでの板垣・桂市政ではありえなかったことです。
  また、自民党が強く働きかけたオリンピック招致問題でも市民アンケートの結果、「賛成」「反対」「わからない」とほぼ三分したことをふまえ、「市民世論は招致とはいえない」と招致を断念しています。

 

▼市長から消えた日の丸

 

  就任翌年の予算議会での自民党代表質問への答弁は、上田市長の民主主義の精神、政治姿勢を鮮やかに示しました。
  上田市長は、市長室から日の丸を撤去し、市主催の新年互礼会での君が代斉唱を中止しました。こうした姿勢への質問に対して市長は、単に日の丸・君が代への対応の説明だけでなく、自らの生いたちと成長過程を振り返りつつ、戦争の惨禍をふまえて制定された日本国憲法の平和と人権、自由と民主主義の原則に立脚した信条・信念を吐露しました。
  国と市の政治・行政との関連にも言及し、愛国心は国歌斉唱ではなく「国民のためになるよい政治」が行われる時に生まれるとして、「市民が主人公となる、自治の担い手となる方法で、そのことを目標に、みずからは憲法とりわけ平和と人権、自由と民主主義、その誠実な実践者として公正と公平を重んじながら、これからの札幌市政を担いたい」と答弁しました。この二十分にもおよぶ答弁は、市長自ら準備したものであり、胸に迫るものがあります。

 

▼改憲、イラク派兵反対

 

  また憲法九条の改定の動きにも「九条の世界的意義」「世界にほこるべき大切な財産」と強調し反対を表明(〇五年二月二十三日、党代表質問への答弁)。真駒内の第七師団をかかえた市長としてイラクへの自衛隊派兵にも反対の態度を表明したことは注目すべきものです。
  ただし、国に制定を義務付けられたものですが、「国民保護計画」問題での対応について批判が出されています。
 

くらし、財政、開発への態度

 

▼施策は不十分、他方で前進も

 

  国と道の悪政から市民を守る札幌市の独自施策が求められていますが、介護保険の居住費などの負担対策はゼロ。また帯広市などが実施する障害者の利用者負担(原則一割)軽減策も未実施など、不十分さもあります。
  他方、その中でも日本共産党と民主団体、市民要求もあり市民の利益に照らして前進しているものもあります。
  たとえば@中小企業支援の融資=五百億円の元気基金の創設、これまでほとんど利用できなかった無担保無保証人融資を千四百件、八十億円も実行したA障害者施策では、交通費助成の継続、精神障害者の通院医療費の本人負担の半額(5%)助成B小・中学校の正規教員の増員C市電を再評価し、存続を決定D子どもの権利条例の制定準備など。

 

▼「財政プラン」で敬老パス改悪

 

  上田市長は、二〇〇四年に「財政構造改革プラン」(以下、「財政プラン」)、〇六年二月には「集中改革プラン」を策定。これは国の「三位一体の改革」による今年度二百八十三億円もの地方交付税削減などによってつくり出される財源不足に対応する計画として策定したものです。
  「財政プラン」の実施として、敬老パスが敬老カードに制度変更・有料化が行われました。無料・無制限だったものが、一〜二割の自己負担、年間利用額五万円が上限という改悪です。これに反対する市民運動が、札幌敬老パスを守る連絡会や老人クラブなどで粘り強く取り組まれ、上限を当初案の二万三千円から五万円に、買い足し・払い戻し制度導入など、部分的ですが改善をさせました。
  同時に「財政プラン」の項目別削減目標では、全体は超過達成しているものの「市民に影響のあるサービス」分野の負担増計画は達成率が六割強にとどまっています。保育料の値上げ(一・三億円)と家庭ごみ有料化(平年度五十六億円の市民負担)などは未実施です。特に家庭ごみの有料化については、第二回定例会の日本共産党の代表質問に上田市長が「相当に厳しい」と年度内実施の見送り答弁を行いました。
  財源不足を理由にした市民サービスの後退を許すかどうかは、今後の市民の運動と世論にかかっています。
  バブル期の大型開発計画、北一条周辺の都心巨大開発である「創世三区」(総事業費二千四百億円、市費八百億円)の開発プランは、〇四年に党の代表質問に対して「巨大計画はない」と答弁し、事実上、現在は中止されています。

 

▼地下通路事業、急ぐ必要ない

 

 いま新たに着手したのが札幌駅南の駅前通地下通路事業です。上田市長は、就任直後の〇三年度政策予算では、設計費を未計上(自民党が修正案提出したが否決)。ところが〇四年度以降は予算を計上し、本格着手に進んでいます。これらは、自民党・財界の要望に沿ったものとみられます。
  日本共産党は、駅前通地下通路を急ぐ必要はなく、市民のくらし・福祉を優先すべきと主張しています。

 

共産党、市民運動の役割は

 

  上田市長の政治姿勢を軸にして「市民参加・対話」型の行政運営が定着しつつあり、施策やその改善に結実したものも少なくありません。
  一方、施策全体の特徴は国の悪政からの防波堤の役割を担う点での弱さ、不急の大型事業の推進など、いまだ住民の暮らし優先に変わったとは言いがたい面があります。
  この二つの面をリアルにみたとき、今後、自民党・経済界の圧力などから前進的な方向が狭まる危険性もありますが、同時にさまざまな制約のもとでも、市民世論と運動いかんで「市民のための市政」へと前進してゆく可能性ももっているといえるのではないでしょうか。
  自民党は武部幹事長みずからのりだし、上田市長の政治姿勢とオリンピック招致断念などを理由に対決姿勢を強め、転覆に公然とのり出しました。それを対外的に明確にしたのが三月の予算議会です。自民党は上田市長提案の予算案を予算特別委員会の採決当日に突如「反対」を表明、否決の構えを示しました。
 

▼予算案に党市議団は

 

 〇六年度一般会計予算案には、市営住宅の家賃・駐車場や学校開放の利用料の値上げがもりこまれ、不急の札幌駅前通り地下通路事業十九億円など市民本位といえないものがありました。
  他方、党と住民運動の奮闘もあって「財政プラン」によるゴミ有料化導入を今年度は実施せず、敬老カードの一部改善を四月実施、市民合意のないオリンピック招致予算の未計上など、市民の声を尊重した一面もあるものでした。
  日本共産党札幌市議団は、予算案に対して自民党の反対に同調せず「賛成」の立場をとりました。予算案の問題点を厳しく指摘しつつ、予算否決による市民生活の混乱を避けるとともに、なによりも自民党の市政転覆策動に手を貸すことには市民的大義はなく、そうしたもとであえて反対すべき反市民的予算とは言えない、との立場をとりました。
  予算案「否決」を回避するため、副市長が共産党市議団に予算案成立の協力を要請したのに対し、党市議団は、@ごみ有料化の中止A敬老カードのいっそうの改善B予算案の各種値上げの再考−を提案しました。
  副市長は市民の声を聞いて対応する前向きの立場を回答しました。
  この点は、予算案に賛成する一つの判断材料となりました。

 

▼次期選挙へ対話広げて

 

  弱さをもつ上田市政を前進させる力は市民世論と運動であり、日本共産党の果たす役割はいよいよ重要です。
  市長選挙を来年に控えたいま、市政の課題と市民の願いは子どもの権利条例制定、敬老カードの改善や国保・介護の低所得者負担軽減、短期証・資格証の問題、障害者自立支援の軽減策、保育料を値上げさせないことなど子育ての負担軽減と保育施策の充実、中小業者支援や青年雇用などの充実、高さ制限などマンション対策と市電の延伸などの街づくり、除排雪の改善などがあります。
  小川勝美市議団長は、「住民要求の前進と市民本位の街づくりをめざして、諸団体・無党派をはじめ幅広い方々との対話と共同をひろげたい」と決意を込め語りました。

(6月27〜29日付「しんぶん赤旗」掲載記事より)