日本共産党は6月5日に「個人の尊厳とジェンダー平等のために」の政策を発表しました。男性や女性、性的マイノリティなど性に関係なく誰もが個人として自分らしく生きられる社会をつくることが求められています。

 「個人の尊厳」「ジェンダー平等」を求める声を紹介します。

 

知識ではなく「生きづらさ」を知ってほしい

武藤義弘 レインボーファミリー札幌 代表

 

 パートナーシップ制度などでLGBT当事者の存在が広まっていますが、正しい情報が伝わらなければ意味がないどころかアウティングや当事者の特定など危険な面もあります。

 その点で当事者の生きづらさは以前と変わっていないのではないでしょうか。当事者の中にはクローゼットの人もいて、誰もがカミングアウトをしないといけないわけではありません。

 私自身はカミングアウトしていますが、ずっと話せていなかったおじに話さなければいけない場面がありました。そのときにおじが言ってくれた言葉は「いちいち言う必要があるのかい?」。今までいろんな言葉を掛けていただきましたが、この言葉が一番嬉しかった。

 講演などで訴えているのは、好きでも嫌いでもいいので一つの個性として受け止めてほしいということ。「LGBT知ってるよ」という知識ではなくどんな生きづらさがあるのか。

 共産党の政策で書かれていることはすべて実現してほしいですね。特に同性婚、あるいはパートナーシップ制度を全国統一のものにすること、野党共同提案「LGBT差別解消法案」はぜひ成立させてほしい。また、教育機関や医療機関、企業等へ正しい情報を周知していくことも必要です。

 その上で当事者の声を活かした法律となるよう、意見交換の場をもっとつくって当事者の声を聞いてほしい。24日の企画も素晴らしいと思いますが、一回で終わりにせず何回も継続していただければと思います。

 LGBTが認められる社会は、他の差別やハラスメントもなくなる優しい社会になるのではないでしょうか。

 

せめて男女の賃金格差、セクハラをなくして

Yさん(札幌市在住会社員、27歳)

 

 私は、会社設立以来「第1号」の女性として何かあるたびに「女の子だから」と必要以上に”女の子”として気を遣われていて、少し居心地の悪い思いをしていました。

 当初は、社会はこんな感じなのかと思って気にしないようにしていたのですが、別の部署の先輩から頻繁に「遊びに行かないか?」という誘いのメールがきたり、尊敬していた上司から仕事の話で二人きりで食事に誘われてベロベロに酔っ払って「帰りたくない」と言われるなど、セクハラまがいのこともされました。

 また2年前に女性が入社したんですが、その方もセクハラ被害を受けたことが一因で辞めてしまいました。

 こうしたハラスメントはどこの職場でも起こっていると思います。政治にはせめて男女の賃金格差をなくしてほしい。友人の中にも「給料が低い方が家庭に入るのが当たり前」と思っている人がいますが、格差があれば、いつまでも男性が上で女性が下という意識はなくならない。

 また、結婚や子どもを育てるためにも今の給料では低すぎます。共産党へは、社会保障を充実させて子どもが育てやすい政治と社会をつくってほしい。子どもが育てやすい社会は、男女の格差のない社会だと思います。

 

6・24「JCP With You HOKKAIDO」開催

 日本共産党は男女の平等、同権をあらゆる分野で実現するという立場で立党以来一貫して努力してきましたが、21世紀の今日でもまだまだ根強い女性差別があります。

 また、性の多様性を認め合い、誰もが尊厳を持って生きることを求める運動も広がっています。

 「個人の尊厳」が尊重される社会をつくりたい。ジェンダー平等の実現を。差別や暴力、ハラスメントに抗議の声をあげた人たちを決して孤立させず、ともにたたかいたい。その決意を込めてJCP With Youを立ち上げました。

 日本共産党も至らないところがあって、まだまだ変わっていかなければならないと思います。そういったところも含めて、多くの方々の声を聞き、一緒にジェンダー平等の社会にしていきたいと思います。ぜひ「JCP With You HOKKAIDO」にご参加いただき、みなさんの声をお寄せください。

(ほっかい新報6月16日号より)

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「JCP With You HOKKAIDO」(詳細はコチラ→)http://www.jcp-hokkaido.jp/info/