胆振東部地震から1年 一人ひとりに寄り添った支援で復興を④

 

 昨年9月6日の胆振東部地震からもうすぐ1年が経とうとしています。大きな被害を受けた厚真、むかわ、安平3町と大規模な液状化被害を受けた札幌市清田区の各議員、全道を回った畠山和也・前衆院議員の手記から現状と今後の取り組みを探ります。

井戸の修理費用、墓石破損に対する見舞金の支給実現

さらに細やかな支援を

三浦恵美子 安平町議

 

 昨年9月6日の胆振東部地震から1年が経過しました。町外の方々からは「もう落ち着いたんでしょう?」と言われます。東日本大震災では発災から8年経過した今なお、福島原発の事故による被害にとどまらず、災害公営住宅の孤独死問題、いまだに災害関連死の申請がある等、時間の経過とともに様々な問題が出てきているにも関わらず、なぜ一年経たないうちに、落ち着いたと思われるか。報道のされ方もあると思います。発災直後より報道回数も減り、当時死者も出なかったことから、安平町は被害が軽く見られがちでした。安平町の被災状況現場を、少なからず知る者として、引き続き情報発信をしていきたいと思います。

 

家屋修理の財力がない

 昨年の地震により、家屋、病院、公共施設、水道、道路、農業や商業などたくさんの被害が出ました。その多くは現在も復興どころか復旧すらままならない現状に置かれています。

 今年2月21日の余震で壊れた家屋に対し、定例議会の一般質問で求めたこともあり、二次調査申請が延長され、現在も調査が継続され、り災の判定が変われば、義援金の差額の支給をしているところです。しかし家を修理した後にまた地震で壊れた、義援金をもらっても直せない。解体も公費解体にしても持ち出しが多くてなかなかできない――等問題は山積みです。

 応急仮設住宅、みなし仮設(町内、町外)、みなし公営住宅から、新たな住宅への住み替えでたくさんの悩みを抱えています。

 家を建て替えるにも修理するにも、財力がない。町外のみなし仮設に住んでいる方は、町外に住み続けるか安平町に戻るか、公営住宅も条件的に、そのまま住み続けられる方と、引っ越しが必要な方、動物と一緒に住んでいるため、応急仮設住宅に居るが、公営住宅に住めないため住む場所がない方等様々です。

 いずれも町内の空き家などほとんどが被災しており、住める家が見つからないのが現状です。

発災後、地震の被害で傾いた家

壊れたままの道路

 道路は安平町内のほとんどが直っていない状況で、壊れた道路で交通事故が起きたり、躓いた子どもさんが怪我をしたり、被害が出ており急を要します。しかし道路を直すには先に、下水管を直さなければならない箇所もあり、さらに、工事請負入札も請負会社が多忙でスムーズにいかなかったりと、様々な問題が出ています。

 

離農や閉店も

 農家は離農が増え、商店街も閉店に追い込まれたお店が多くみられます。被災者支援策と現実とのギャップが浮き彫りになり、その多くは被災者を救うには不十分であることを実感しました。

 議会で諦めず求め続け実現したのが、給水区域外の井戸に対する修理費用、暮石破損に対する見舞金それぞれ上限5万円の支給です。

 様々な悩み全てに対応することは難しくもどかしい思いをしていますが、今後も私にできることとして次のことを進めていきたいと思います。

発災後、神社の石像や木が倒れている様子

寄せられた様々な声を行政へ届け実現を

 今までも震災関連意見書を提出してきましたが、今後も現状では支援にならない制度に対する意見書を提出し続けること、直近は災害等廃棄物処理事業拡充の意見書です。

 また8月末で打ち切りになる医療費の窓口負担減免継続を町と道に対し求めています。

 過去の被災地でも何カ所も延長を決めており、打ち切りになった所も再開を求める声が上がっています。そして札幌市と厚真町でも申請認定された災害関連死について、該当すると思われる方の申請、安平町の相談窓口設置、審査委員会の立ち上げを進めていきたいと思います。

 復興支援をさらに前へ進めるためには、町民のみなさんから寄せられた声を真摯に受け止め、行政へ伝え実行してもらえるよう動く――このことに尽きると思います。目に見えないたくさんの問題が、各被災地で山積していると思います。安平町もその1つです。

 今後も共産党員のみなさんと手を組み、細やかで寄り添った支援に尽力したいと思います。