ナマコ等の密漁を防ぐ水産物の流通適正化法案が全会派一致で可決された3日の参院農林水産委員会で、日本共産党の紙智子議員は、密漁はナマコをブランド化している地域に大きな影響を与えているとし、実態にあった取り組みや財政支援を求めました。

 紙氏は「北海道の道南地域でナマコの密漁が問題となっている。闇に隠れた海上での密漁なので、見張りを付けても逮捕することが難しい」と指摘。流通適正化法案が海の生産現場ではなく流通段階で密漁による水産物を発見する仕組みにした理由を聞きました。

 山口英彰水産庁長官は「(密漁による)違法漁獲物は正規流通に乗せて利益を得るものである」ので「正規な漁獲物であることを識別するために伝票等に漁獲番号を記載して」発見すると答えました。

 紙氏が「ナマコは対象になると言われるがホヤはどうなるのか。漁獲番号の記録など新たに事務作業が発生する」と聞いたところ、山口長官は「魚種の指定は、学識経験者や生産・加工・流通団体の代表などが入った検討会で取りまとめる。事務作業は容易にできるよう検討する」と答えました。

 紙氏はまた、新型コロナ感染症で需要が減少し、出荷量の減少、魚価の低迷などの影響が続いているとし、沿岸漁業と漁業者を支えている漁協への支援を求めました。

(「しんぶん赤旗」12月18日付より)