提案説明する小形香織市議

 札幌市が強引に進めようとしている2030年札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致の問題で、日本共産党札幌市議団は市民ネットワーク北海道とともに五輪招致の賛否を住民に確認するための住民投票条例案を第2回定例市議会に提出しました。

 6月2日の経済観光委員会で、小形香織市議が提案説明を行い、条例案の審議が行われましたが、自公民が反対、賛成一人のみで否決されました。

 小形市議は「30年オリパラ招致は、世界が注目する市政に関する重要事項。市民の政治参加を保障し市民意見を反映する、民主的なプロセスが必要」と訴えました。

 質問と討論に立った村上仁市議は、市の調査では賛成が52%だったが、直後に行われた道新の世論調査では反対が57%だった結果も示し、「市民の意見が拮抗している場合、国際的には住民投票を行うのが当然。なぜ札幌市はできないのか」「市長は、従来市民の意見を聞くとしていたのに、調査結果を“参考程度にとどめる”と主張した。住民の自治をしっかりと確認するために住民投票は必要」と指摘し、賛同を呼びかけました。

 しかし、自民・民主・公明の各会派は「議会として招致を進める意思を表したのに、議会から賛否を問う住民投票条例を出すことは整合性がない」「市の調査結果では若い人の賛成意見が多い。次代を担う若者に夢や希望を与える五輪を周知すべき」「条例案の提出はもっと時間をかけて行うべき」「五輪招致への市民の疑問に応えて、理解を広めていくのが議員の責任だ」などとして条例案に反対を表明。札幌市民の意見を置き去りにし、市と歩調を合わせて招致に突き進もうとする「民意無視」の態度です。

雪害対策などにもっと重点を

 傍聴席は市民と報道関係者で埋め尽くされました。

 傍聴した30代の女性は「若者の賛成が多いと言っていたけど、市はメリットばかりでデメリットを伝えていないのでは。賛成意見も反対意見も平等に伝えて招致への意見を聞くことが必要。私個人としては、都心の再開発も含めて五輪の恩恵を受ける人がどれだけいるのかと思います。市には雪害対策など市民のくらしの問題にもっと重点をおいてほしい」―と語りました。

(「ほっかい新報」6月12日付より)

 

 日本共産党札幌市議団の条例提案説明はこちら→https://www.jcp-sapporo.jp/info/20220523ogata/