わずか8分の時間短縮に、国と札幌市が1200億円の巨費をかけて札幌北インターと市内中心部を結ぶ4・8キロの「都心アクセス道路」。日本共産党札幌市議団は30日、大型開発や市民合意のない事業の歳出を削減する2021年度予算案の組み替え動議を市議会に提出しました。

 組み替え動議は、国土強靭化の名の下の大型開発や個人情報管理のマイナンバー推進をやめ、コロナ危機を打開する「コロナ集中対策」や市民の暮らしと営業を守る予算に振り分けるよう求めています。

 提案説明に立った小形香織市議は、「アクセス道路」をめぐって、1月の都市計画審議会で議論が尽くされていないと意見が続出、7人が「反対」「保留」したにもかかわらず、10日の国の社会資本整備審議会で「妥当」と判断されたと指摘。「このまま建設が決定されれば、総事業費は1200億円以上にも及び、将来に大きなツケを回すことになる」と強く批判しました。

 PCR検査を強化し、現在実施中の検査対象者を含め、療養型医療機関以外、入所型介護施設以外の医療・介護施設職員へのPCR検査の月2回以上の実施を求めました。

 太田秀子市議が討論しました。組み替え動議は共産党以外の反対で否決されました。

「市民の願いに背」鮮明 村上市議団長談話

 札幌市議会の予算議会の閉会にあたって、日本共産党の村上仁札幌市議団長は30日、談話を発表しました。

 予算は、10年後の北海道新幹線開業をめざす不要不急の大型開発が温存される一方、コロナ危機に直面し、苦しんでいる市民への支援策が極めて不十分なことから、党市議団は議案提案権を活用し「組み替え動議」を提出しました。

 結果は、わが党以外の反対多数で否決となりましたが、論戦をリードする役割を発揮したことで、市民の切実な要求に背を向けているのは誰かが浮き彫りとなり、意義あるものでした。

 新型コロナ感染拡大から1年、変異株が確認され、感染者の増加傾向から「第4波」への備えが求められる中、動議は、感染防止対策、市民のくらし応援、医療や福祉、営業に思い切って予算を投入するとの提案です。

 歳出の見直しは、過去最大の当初予算1兆1140億円の1%ほどであり、組み替えは十分可能と考えます。

 党市議団は、動議で掲げた施策の実現に向け、引き続き市民のみなさんと力を合わせて全力を尽くすことを表明します。

(「しんぶん赤旗」3月31日付より)