「はたろぐ」6月16日より

 アイヌ施策推進法が昨年5月に施行されて1年余。日本共産党の畠山和也前衆院議員は16日、平取町の平取アイヌ協会の木村英彦会長らを訪ね、課題や要望を聞きました。

 新法はアイヌ民族を「先住民族」と初めて明記しましたが、「先住民族の権利に関する国連宣言」が明記する「先住権」について記されていません。当事者でも評価が分かれ、河川でのサケ採捕の権利をめぐり、裁判で争われています。

 平取町がアイヌ文化の拠点として整備を進める「二風谷コタン」内の「アイヌ工芸伝承館・ウレシパ」で木村氏やアイヌ伝統工芸作家の貝澤守氏と懇談しました。

 「新法は、不十分でさまざまな意見があるが、先住民族と明記されたことは前進だと考える」と木村氏。「アイヌ以外の人の中にアイヌのことに”さわらない”という雰囲気がある」と指摘し、町が国の交付金を活用して進めるアイヌ語教室やアイヌ文化の講師を小中高校に派遣する事業で「理解が広がればうれしい」と言います。

 「工芸の学校的なものをつくりたい」と語った貝澤氏は「習得した技術を生かせる場を全道につくってほしい」と訴えました。

 畠山氏は「アイヌの若い人たちがSNSで発信していることは、積極的で素晴らしいことです。古老の生活保障や次世代の雇用創出などに交付金を生かせるよう力を尽くします」と答えました。

 鈴木修二町議(無所属)が同席しました。

(「しんぶん赤旗」6月23日付より)