「はたろぐ」10月10日より

 台風被害から4年間もJR北海道が放置したままの根室本線(新得―東鹿越間、41・8キロ)。日本共産党の畠山和也前衆院議員は10日、新得町に事務局を置く「根室本線の災害復旧と存続を求める会」の平良則代表を訪ね、懇談しました。青柳茂行新得町議が同席しました。

 年約100億円もの赤字続きの北海道新幹線の札幌延伸にはことさら熱心で、日高本線とともに、台風被害の災害復旧に背を向け続けるJR北。そればかりか、新得―富良野間(81・7キロ)は輸送密度が200人未満だとして廃線・バス転換を主張しています。

 同会は、根室本線が上川管内と十勝管内を結ぶ大動脈で、災害時の代替輸送路線として重要な意味を持ち、路線を切り捨てるなと活動を続けています。

 同会は7月、根室本線対策協議会会長を務める北猛俊富良野市長と意見交換しました。北市長は「国や道、JR北に引き続き協議会として路線維持を要請する」と応じ、自治体ぐるみの存続運動として発展しています。

 ようやく重い腰を上げた赤羽一嘉国土交通相。11日に駅を視察し、沿線の首長や島田修JR北社長と意見交換。首長が早期復旧を求めたと言います。

 新得駅前ではコロナ禍で中止になった「そば祭り」の代わりにと週末、そばの販売と実食を行っています。ある店舗には「本日完売」との貼り紙が。しかし、「不通になってから十勝方面から富良野市への観光客が減ったと聞きました」と平代表。コロナ禍でも関係機関や国会議員に復旧と存続へのメッセージを送ってきたと述べ、3月に予定した札幌集会も、改めて開催し、広く世論に訴えたいと表明しました。

 平代表は、国鉄が分割・民営化され、JRが発足した33年前、自民党政府は”利用者に快適な毎日”を届けると大宣伝し、「ローカル線をなくさないと言っていたではないか」と鉄路に関心を示そうとしない菅政権に注文をつけました。JR北は、鉄道の重要路線「幹線」の根室本線まで寸断し、切り捨てようと狙っています。

 9月の政府交渉で、「国交省は復旧について、人ごとの回答だった」と強く批判したと畠山氏。「公共交通を担う事業者として災害復旧はいの一番に行うべきものです。鉄路の果たす役割を訴え、一緒に力を合わせましょう」と応じました。

(「しんぶん赤旗」10月14日付より)