日本共産党の紙智子参院議員・先住民(アイヌ)権利委員会責任者は4、5両日、北海道日高管内で町長やアイヌの人たちを訪問、昨年4月施行のアイヌ施策推進法(新法)の課題を聞きました。

 アイヌが多く住む平取町二風谷を訪れた紙氏。二風谷アイヌ文化博物館には、国指定重要有形民俗文化財919点、萱野茂二風谷アイヌ資料館には、国指定文化財202点が収蔵されています。

 アイヌ初の国会議員萱野茂氏の息子で資料館館長の萱野志朗氏。「先住民族」と規定されたものの、土地や資源活用の権利・先住権実現は「これからの課題」だと述べました。

 「国有林内のオヒョウの木などの資源を有効活用できるようにしてほしい」と二風谷民芸組合の貝澤守代表理事。アイヌ文様を美しく刻んだイタ(お盆)などの作家です。

 オヒョウを染めた作品を指さし、「キキョウやアカネ、マリーゴールドで染めました」とアットゥ(織物)作家の貝澤雪子氏。「孫に技術を伝承したい」と目を細めました。

 「21世紀の森」事業で「シマフクロウが戻る森へと整備している」と平取アイヌ協会の木村英彦会長は「新法に規定された5年後の見直しに向けた議論を開始してほしい」。

 「ウポポイ(国立アイヌ民族博物館)と道内のアイヌ関連施設との連携や周遊を進めて」と遠藤桂一町長。紙氏は「アイヌのみなさんと町が協議して進める事業がスムーズに実施されるよう支援したい」と応じました。

 平取アイヌ遺骨を考える会の木村二三夫共同代表と懇談し、鈴木修二町議(無所属)が同行。新ひだか町の大野克之町長、三石アイヌ協会の幌村司会長との懇談には、谷園子党町議が同行しました。

(「しんぶん赤旗」11月7日付より)