市⺠不在の招致活動が招いた結果 市⺠を交え徹底検証を

―― 市長の「五輪招致撤退」表明にあたって ――

2023 年 12 月 4 日
日本共産党北海道委員会委員長 青山 慶二
札幌市議団団長 池田 ゆみ

 秋元克広市長は 11 月 30 日、国際オリンピック委員会(IOC)の理事会が、冬季大会の開催地を 30 年はフランス、34 年大会は米国のソルトレークシティを選定し、38 年大会はスイスと優先的に協議すると発表したことを受けて、招致活動からの事実上の撤退を表明しました。2014 年 11 月の招致活動の開始から足掛け 10 年。市民に招致の是非を問わずに進めてきた市民不在の招致活動のあり方が破綻したものです。
 市は、市民の支持が得られなかったのは、東京大会の不祥事とそれによる五輪不信が最大要因かのように説明していますが、マスコミ世論調査が示すように、「招致反対」という市民の意思は不祥事が発覚する以前からであり、その一番の理由が、オリンピックよりも市民生活を支える施策を優先してほしいというものでした。
 日本共産党は、こうした市民の願いに応えて、2022 年 3 月に声明「札幌冬季五輪の 2030年招致はとりやめ、市民のくらしを豊かにするやさしい札幌へ」を発表しました。札幌市議会では、予算の組み替え提案や、住民投票条例案を提出、直接請求署名運動にも連帯してきました。事実上の招致撤退は、市が市民の願いに向き合わず、五輪を「まちづくりの起爆剤」と位置づけ、都心部の再開発を優先させてきた姿勢への、市民の世論と運動が大きく広がっ
たことによるものです。
 日本共産党は、札幌市がこれまで進めてきた、冬季五輪招致活動を完全に終了させ、IOCとの「継続的な対話」のステージから退くことを求めます。同時に、招致活動が札幌市自治基本条例にのっとったものとして、市民に向き合ってきたのか、また、市政の主人公は、あくまで市民であり、広範な市民を交えて検証作業を行うよう求めるものです。

以上

2023.12.4声明「市⺠不在の招致活動が招いた結果、市⺠を交え徹底検証を 」