日本共産党の紙智子議員は26日の参院農林水産委員会で、「種苗法の改定で種苗育成者と農家の利益バランスが崩れ、農家の購入負担が増える」と指摘し、改定案の徹底審議を求めました。

 現在、農家は購入した苗や種を自家増殖して翌年以降に使用していますが、種苗法改定案では国に登録した品種を農家が自家増殖する場合、育成権者に許諾料を支払わなければなりません。

 紙氏は種苗法改定が「種苗育成者の権利保護のみを強化している」と批判。「種苗の発展は育成者と生産者の共助が必要だ。一方だけ強化することは両者のバランスを取る政府の責任を放棄することになる」と強調しました。

 紙氏の調査によると、ジャガイモの登録品種の種子の価格は都道府県が開発したものは1袋3~4円、国立の農研機構はその10~20倍、民間は100倍です。紙氏は「規制緩和が進んで民間に公的機関の知見が解放されれば、民間が主流になって種苗コストが上がるのではないか。農研機構も価格が上がっている」と指摘しました。

 太田豊彦食料産業局長が「民間の種苗を購入している農家の経営が困難という実態はない」と述べたのに対し、紙氏は「農家の負担が増えないというのであれば、農研機構が低価格で提供するのか資料を提示すべきだ」と主張しました。

(「しんぶん赤旗」11月27日付より)