札幌市が押し通そうとする無駄な大型開発の典型「1000億円道路」建設についての計画案の事前説明会が13日、市都市計画審議会で行われました。

 札幌北インターチェンジから都心部の創生側通の4・5キロを地下トンネルでつなぎ、国と市が1000億円をかけて建設する「都心アクセス道路」。”コロナ禍でなぜ大型開発か、市民の命と健康を最優先して”との切実な声とともに、「渋滞解消は右折レーンの設置で十分」「想定外の豪雨で浸水する恐れがある」と建設反対の声が広がっています。

 委員の田中啓介市議(日本共産党)は、朝夕のラッシュ時や冬季積雪時の混雑は他の道路でも同じで、冬季は除雪体制を強化すれば解消できると強調し、中止を求めました。

 他都市に比較しても早く到達することが必要、除排雪作業は人手と費用がかかると、あくまでも建設に固執する市側。田中氏はトンネルにした場合、北27条から北10条の間に出入り口がなく、「逆に速達性の阻害になる」と反論。市が課題という死亡事故率が高い交差点での危険性の軽減や歩道の拡張について、「交差点の改良や道路改修で対応できたはずなのに、これまで市はどう対処してきたのか」とただすと、市側は「道路は開発局の管轄であり、歩道確保は把握していない」と開き直りました。

 年100億円もの赤字続きで札幌延伸に突き進む北海道新幹線との関連を聞いた大学教授の委員。「延伸に伴う駅前再開発工事と連携し、バスターミナルと地下で直結できないのか」と質問。市側は、地下で連結するためには複雑な構造になると否定しました。

(「しんぶん赤旗」11月15日付より)