「しんぶん赤旗」が暴いた自民党派閥による政治資金パーティーを利用した「裏金」づくりが、国民の怒りを買い、自民党政治を大きく揺るがしています。

 鈴木直道知事の後援会が政治資金収支報告書に虚偽の記載を行うとともに、会場の定員を上回る券を販売していた問題を真下紀子日本共産党道議団長が追及(ほっかい新報3月24日付)したことが、北海道新聞1面(3月28日付)で大きく取り上げられるなど、注目されています。

 共産党道委員会は、自民党道連と道内選出の国会議員の支部の政治資金パーティーの3つの問題を記者会見(3月18日)で明らかにしました。

①政治資金収支報告書に”虚偽の記載”

 政治資金規正法は政治資金の収支を国民の前に明らかにすることで、「民主政治の健全な発達に寄与する」(第1条)ことを目的としており、虚偽の記載は許されません。

 2020年~22年の自民党道連の政治資金パーティーについて、収支報告書に記載されているパーティー収入を「対価の支払いをした者の数」で割ると、ちょうど、パーティー券1枚当たりの価格である「2万円」となることがわかりました。つまり、1人が1枚ずつ購入した形です。

 しかし、日本商工連盟北海道連合会が22年に100万円(50枚分)を購入するなど、毎年、複数枚購入している団体があることは明らかです。つまり、自民党道連は毎年のように虚偽の記載を繰り返してきたのです。党道委員会の指摘を受けて、3月19日に収支報告書の訂正がされました。

 同様の虚偽の記載が、堀井学衆議院議員が支部長を務める第九選挙区支部と、武部新衆議院議員が支部長を務める第十二選挙区支部でも行われていることが、道委員会の調査で明らかになりました。また、20万円を超えて購入したものは記載が義務づけられているのに、「JAきたみらい政治連盟」が22年に2回に分けて、23万円のパーティー券を購入していることを、第十二選挙区支部の収支報告書には記載がされていないことも突き止めました。

②利益率90%超の”荒稼ぎ”

 政治資金パーティーは「対価を徴収して行われる催物」とされていることから、その代金は「対価」であり、「寄付」とは異なるとされています。

 しかし、自民党道連のパーティーの利益率について、2018年~22年の5年間を調べると、93%~95%という結果となりました。多くの道民がコロナ禍で自粛せざるを得なかった時期も含めて、一貫して、高い利益率を維持し”荒稼ぎ”してきた実態がわかりました。

 道内選出の国会議員が代表を務める各支部が20年~22年に行った「特定パーティー」(収入が1000万円以上)は、10人で30回。すべての「特定パーティー」が利益率80%以上で、90%を超えるものは19回にもなります。なかには、22年に九選挙区支部、「ともに歩き学ぶ会」(堀井議員が代表)、堀井学連合後援会の3団体共催のパーティーで、「ともに歩き学ぶ会」が191万円の収入を報告しておきながら、支出は0円というケースまでありました。

 政治資金パーティーは企業・団体献金の「抜け道」となり、事実上の「寄付」となっているのではないでしょうか。

③事実上の”空パーティー”券か

 自民党道連のパーティー会場の定員の上限は2500人です。しかし毎年、2500人を上回る券数が販売されています。また、道連のホームページには多くの年で参加者数が1000人程度と記載されていますので、参加実績の3倍近い枚数を販売し続けています。

 22年の武部議員のパーティーでは、会場のホームページに「消防法により立ち見はできません」と記載されているにも関わらず、会場定員の約3倍の枚数を販売していました。21年の第七選挙区支部・伊東良孝衆議院議員のパーティーでは、当初、収支報告書には会場定員の実に12倍超の1万2695人が券を購入したと記されていましたが、党道委員会の指摘を受けて訂正。なんと、100分の1以下の120人の購入者数に修正しています。

 定員数を上回る販売が常態化し、実際とはかけ離れた人数を収支報告書に記載するなど、疑念は深まるばかりです。

”言い訳”は成り立たない

 『朝日新聞』(3月20日付)の報道によれば、自民党道連は定員を超える枚数を販売していることについて、①オンライン開催がある②欠席者を見越して販売していることもある、と述べています。

 しかし、パーティーのオンライン開催について、政府は20年に「『催物』とは、人を集めて行う様々な会合などと解されており、人を集めずオンラインで開催するものは、人を集めて行う会合と解することは難しい」と答弁しています。

 「欠席者を見越しての販売」というのは、どうでしょうか。2月に札幌市内で行われた世界的なロック・バンドのS席は1万7000円でしたが、道連のパーティー券はそれを上回る2万円もします。また、先日、テレビ番組のイベントで前売り券(900円)を販売したものの、大混雑で入場できない事態があったことから、番組は謝罪しました。高額のチケットを、席数を超えて販売することが”当たり前”というのは、社会常識とかけ離れ、道義的な責任が問われるものです。

真相解明求めてたたかう

 自民党道連や国会議員の各支部は、自民党本部から交付金を受け取っていますが、党本部の収入に占める政党助成金の割合は6割超。私たちが納めている税金が党本部を通じて、道連や各支部に回っていることになります。また、党支部は企業・団体献金も受け取って、さらに、パーティーで”荒稼ぎ”をするような政党に、どうして国民の生活の痛みがわかるでしょうか。

 真相解明もないままに、堀井学・和田義明両衆議院議員、橋本聖子参議院議員の道内関連の3議員はじめ39人の議員を「処分」したことをもって、自民党は幕引きを図ろうとしていますが、到底、国民の理解を得られるものではありません。

 来るべき総選挙で、企業団体献金も政党助成金も受け取らない日本共産党がのびてこそ、金権腐敗の自民党政治を終わらせることができます。

日本共産党北海道委員会広報部長 山﨑 航平

(「ほっかい新報」4月14日付より)