要請書を手渡す(左から)畠山副委員長と池田、太田両札幌市議

 5月23日、日本共産党北海道委員会は北電に対して「泊原発再稼働を織り込んだ電気料金値上げ申請の撤回を求める要請」を行い、道経産局に対して「原発の60年超運転と一体の電気料金値上げの中止を求める要請」を連続して行いました。

 要請は、畠山和也道委員会副委員長(比例予定候補)、池田由美、太田秀子両札幌市議らが参加しました。

 畠山氏は、物価高騰が道民生活を圧迫し、事業者は価格転嫁できない状況のもとで、電気料金を23%も大幅に値上げすることは道民のくらしを悪化させ経済も悪循環に陥らせることになり容認できないと強調しました。同時に、停止している泊原発に対して11年の間に約7千億円もの経費がかかり、すべてが道民の電気代で賄われていることから、むしろ、原発をやめれば電気代は安くできることを指摘しました。ライフラインである電気の安定供給を担う公的な責任を果たすよう述べ、重ねて値上げ申請の撤回を求めました。

これ以上の値上げは耐えられない

 池田、太田両市議は市民も中小企業も「節電の努力はすでにめいっぱい行っている」と述べ、「これ以上はもう無理」という市民からの悲痛な声を訴えました。

 「オール電化が安いと言われたが、電気代が10万円を超えるなど負担が大きく、これ以上の値上げは耐えられない」「収入が減り、電気代を遅れ遅れで払っている。値上げで払えなくなる」「酸素マスクをひと時も離せない人工呼吸器をつけて暮らしている。病気の心配で精一杯なのに、電気代のことで不安いっぱい」「年金がすべて電気代に消えてしまい、生活できない」などです。

 市内2ヶ所のオール電化の市営住宅の住民からも「家賃より電気代のほうが高い。住んでいられない」という切実な声があり、これ以上の値上げは耐えられないこと、市民が納得できる内容ではないと強調しました。

 野呂光夫道農漁民部副部長は農家の苦しい状況に追い打ちをかけると指摘し、特に搾乳ロボットの電気代の負担が大きくなる酪農家の実態を述べました。

 山崎貴裕道国民運動委員会事務局長は、子どもたちの未来のために泊原発再稼働よりも再エネ拡大をと強調し、事故があれば北海道の観光も農業も大打撃となること、冬場は避難も困難であることを指摘しました。

原発再稼働に固執する北電

 北電は、「深いおわび」を繰り返しながら、値上げは収支悪化によるものと述べ、経営改善に努力するとしながらも電力の安定供給へ泊原発再稼働に総力をあげていくと回答し、あくまでも原発に固執する態度が浮きぼりになりました。

 道経産局では値上げ認可の取り消しを要請。畠山氏が、原発依存、海外依存が電気料金値上げにつながっていることを指摘し、エネルギー構造の抜本的な見直しが必要だと強調したのに対し、担当者は「大変な人々の声を集めてきたことがよくわかりました。本省に伝えます」と述べました。

(「ほっかい新報」6月4日付より)