主催者あいさつをする木村共同代表=13日、札幌市

 1月13日、札幌市内で「マイノリティへのヘイトスピーチを許さない『人である人』いま再び集まろう 政府与党・杉田水脈議員に対する抗議集会」が、昨年2月に続き開催されました。

 2022年11月、当時・総務大臣政務官であった杉田議員がアイヌ民族や在日コリアンの女性に対するヘイトスピーチを、7年にわたってブログに掲載していたことが国会で明らかになりました。このことに抗議し、ヘイトスピーチを許さない立場から23年2月に1回目の集会を開催(本紙23年3月5日付既報)。そして、ヘイトスピーチの被害者らが札幌法務局と大阪法務局に人権侵犯認定と救済を申請し、同年、両法務局は杉田議員の投稿を「人権侵犯」と認定しました。

 しかし、杉田議員は「差別を利用して日本を貶める人たちがいる」など、自らの言動を正当化しています。

 こうしたなかで、これ以上のヘイトスピーチを許さないために、再び、抗議集会が開催されることとなりました。

不正義に声をあげよう

 主催者を代表して、あいさつをした木村二三夫共同代表は杉田議員の差別発言を容認する自民党を痛烈に批判し、「過去に目を閉じるものに未来はない」と指摘しました。そして、日本政府によるアイヌ民族への植民地支配はじめアジア諸国への侵略の歴史にふれながら、今再び戦争の準備が進められていることへの危惧を示し、「二度と同じことを繰り返すことがあってはなりません」と強調。木村氏は「人として、ともに世の不正に大声を出さなければなりません」と訴え、国や北海道、市町村が差別を許さない立場で毅然と対応することを求めました。

差別のないまともな社会を

 杉田議員のヘイトスピーチの被害にあっている多原良子氏は、この間の経過をまとめて詳細に報告しました。また、アイヌ民族への差別だけではなく、女性としての差別も受けるという「複合差別」にアイヌ民族の女性が直面している問題を強く指摘しました。

 多原氏は杉田議員が差別発言を繰り返すことを日本社会が容認してしまえば、社会が壊れてしまうと警鐘を鳴らし、「差別のない、安心して暮らせる社会をつくっていかなければならない」と呼びかけました。

差別問題の責任はマジョリティにこそ

 集会声明の説明を行ったジェフ・ゲーマン共同代表は、杉田議員に議員を継続させることは「党自体も早晩、差別主義集団とみなされるでしょう」と自民党に対する厳しい批判を盛り込んだと述べました。

 また、差別を容認する政治が続けられているのは、「マジョリティ有権者の政治意識によって支えられてきた」と指摘し、マジョリティの責任を明確にしたと紹介しました。

 そして、「マイノリティ、そして差別問題の責任を負うべきマジョリティとして、差別のない、人権が尊重される社会が実現できるよう、お互いに団結」することを呼びかけました。

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 集会では、アイヌ民族、在日コリアンなど多くの参加者から差別のない社会へと変えていくための様々な呼びかけや提起がなされました。

 日本共産党の紙智子参議院議員とはたやま和也比例予定候補がメッセージを寄せ、長屋いずみ札幌市議らが参加しました。

(「ほっかい新報」1月21日付より)