懇談をする木村さん(左)と畠山和也元衆院議員(右)

 皆様にもぜひ知っておいてもらいたい言葉です。私も常日頃から振り返る哲学ともいえるアイヌ語です。カントオロワ ヤクサクノ アランケプ シネプ カ イサム(天から役目なしに降ろされて来たものは何一つもない)と。

獣にも劣る 残虐な戦争は許さない

 いま世界は人類の終末期を迎えるかのような、危機的状況にあります。アメリカはウクライナをけしかけ、日本はアメリカの尻馬に乗り、法改定をしてまで軍備を整え、いつでも状況に応じて攻撃も辞さないとの考えのようですが、だからこそいま過去を振りかえる時ではないでしょうか。日本がやってきた中国、アジアでの三光作戦――殺し尽くす、焼き尽くす、奪い尽くす。今、クレイジーなロシアのプーチンがやっていることと同じ事をしてきた歴史です。そのしっぺ返しかのようにアメリカによって沖縄攻撃、長崎と広島には核爆弾の投下、そして東京空襲と、350万人以上の国民、軍人が無残な死を遂げました。こんな獣にも劣る行為は今後絶対にあってはなりません。

ニシパ畠山の出番

 今こそニシパ(紳士)、畠山氏の出番です。天から託され、降ろされてきた役目を今、果たさなければなりません。

 悪の根源は自民党政府です。地盤、看板、カバンを引き継ぐ自民党議員に多い二世議員達、政権の中枢にいて恥ずべき差別発言を繰り返した杉田水脈。アイヌに使う金があるなら防衛費に使えという思考か。

アイヌを蹂躙する屈辱的苦難の歴史

 アイヌモシリを奪った、加害者であることを理解できないという「愚か者」のためにアイヌ民族が辿らされてきた、屈辱的な歴史に触れてみたいと思います。

 1872年(明治5年)、日本政府の行政庁であった開拓使は、アイヌに何の相談もなくアイヌモシリ・アイヌの国を全て、日本政府の国有地にする「北海道地所規定」を制定し、ここからアイヌ達を蹂躙する・屈辱的な苦痛の歴史が始まりました。この「地所規則」によってアイヌのイオル(生活圏)で動物の狩りをしたり、サケ、マスを捕ったり山菜を採ったりしていた生活の場であった実質的なアイヌの領土は、持ち主のいない土地「無主地」と称して、泥棒の勝手な理屈で日本政府に奪われました。

 アイヌ達は、神からの借りものとして大事に住んでいたアイヌモシリを奪われ、そこに本州から土足で踏み込んできたウエンクル(悪い日本人)「開拓民」への土地の私有権が設定された――という歴史的事実です。

 アイヌに使う金があるなら軍備に回せというような考えで「癌」のような役目の愚かな輩、自民系の者達が喚いています。国民の大事な税金を、殺し合いの準備に使おうとする自民党政府です。

世の為、人の為になる確かな人物を見極めて

 アイヌネノアンアイヌ(人である人)の畠山さん、国民の為、先住民族であるアイヌ、そして、在日の人達、またしても日本の犠牲にしようとする、ウチナンチュウ、南西諸島の為にも、何としても、畠山さんの力を、声を世に発信し、不正義に対して大声を出してもらわなければなりません。その為には、どうしても国会に復帰して活躍をしてもらわなければなりません。皆さん、世の為、人の為になる確かな人物を見極める目を持ち、この壊れた日本を立て直しましょう。

世界の流れ=多民族、多文化、多様性に基づいて

 最後に一つ付け加えておきます。今、世界の流れは、多民族、多文化、多様性が求められる時代です。私の言う事が壊れている者達に理解が出来るか?

 がんばれ「ニシパ」(紳士)畠山さん。畠山さんに活躍の場と力をあたえて、北海道の希望ある未来を切り開こう。

(「ほっかい新報」7月2日付より)