鈴木直道知事の政治姿勢と2期目最初の補正予算について、丸山はるみ道議(小樽市)は5日、初めての一般質問に立ち、道民の要求を実現する道政への転換を迫りました。

知事は「子育て応援」の決断を

 丸山道議は子ども医療費無料化や道独自の奨学金の創設など子ども政策の抜本的拡充を求めました。知事は「全国一律で実施するもの」とこれまで通りの答弁を繰り返しましたが、丸山道議は国と道が行うべき政策の区分に明確な基準がないことを指摘し、「知事の決断で行うべき」と強く迫りました。

半導体産業振興に前のめり

 道民の切実な要求に背を向けながら、知事は半導体企業ラピダス社への支援に前のめりです。

 丸山道議は「詳細な事業内容や環境への影響と対策など、現時点で明らかでないものが多い」ことを指摘し、知事が事業支援を早々に決断した根拠を問いただしました。知事は「ラピダス社の壮大なチャレンジに共感を覚えた」と答えるのみで、不透明な次世代半導体の量産が成功する見通しを示すことはできませんでした。また、工場排水に含まれる環境汚染の影響については、「国の動きを注視する」と述べ、またもや国任せの姿勢です。

ゼロカーボン北海道推進基金「100億円」

 知事の目玉政策であるゼロカーボン北海道推進基金を活用した今年度の事業執行見込み額は約19億円。

 にもかかわらず、100億円の基金を積むために財政調整基金から約25億円を取り崩そうとしていることに対し、丸山道議は「財政調整基金から別の基金への積み立てなど前代未聞。100億円の規模ありきではないか」と厳しく追及しました。知事は「中長期的な観点」「企業からの寄付金を呼び込んでいく契機になる」と繰り返すだけで、来年度以降の見通しを何一つ示すことができませんでした。

マイナンバーカード普及拡大は中止を

 度重なるマイナンバーカードのトラブルによって、道民の不安が広がっています。しかし、補正予算には道独自の一般財源を初めて活用して、マイナンバーカード取得を支援するための予算が盛り込まれました。丸山道議は、繰り返し「知事として道民の声を重く受け止め、マイナンバー制度の運用停止、保険証廃止撤回を」と求めましたが、知事は「国の責任で」と述べるだけでした。

知事が守るべきは道民

 「ヤジ排除訴訟」で札幌高裁が、原告女性の表現の自由が侵害されたことを認めたことについての受け止めを問いただす丸山道議に対して、知事は「道警察において検討している」との答弁に終始しました。丸山道議は「知事が守るべき道民が、警察により表現の自由等を奪われたことに対して、知事は何の感情もわかないのですか」と迫り、道警察に対しても上告を断念するように求めました。

(「ほっかい新報」7月16日付より)