2013年参院選から解禁されたインターネットを活用しての選挙戦。「カクサン部」が話題になってから10年、各党が日々活用を発展させ、日常の活動の中でも重要な役割をSNSが担っています。積極的にSNSで党の魅力を発信しているRさん(札幌市在住)にお聞きしました。

SNSを党活動にいかす

 SNSを党活動に活かすようになったのは2020年頃からです。共産党のことを広げるのに、何か自分のできることを活かせないかと考え、党の会議でも繰り返し発言しました。ただ、発信するのはハードルが高くて、初めは情報を集めるのが中心になっていました。

発信力とともに、一体感を高める

 変わるきっかけになったのは21年の衆院2区補欠選挙で、バナー(ネット上に出すチラシのようなもの)づくりなどで発信したことです。また、同年の東京都議選にSNS担当としてオルグに行ったことが大事な経験になりました。地元の選対だけでは手が回らなかったネット対策、バナーや候補者を紹介する動画を作成すると大変喜ばれました。

 今は、1人1台スマホを持っている時代で、SNSで発信することは有権者にアピールするうえで大変重要です。また、つくるためには候補者や地域の人たちとコミュニケーションをとる必要があるので、SNSを通して関わった人たちとの連帯感も強まり、選挙をともにたたかう仲間としての一体感も生まれると感じました。

動画は「24時間」、どこでも候補の訴えを聞ける

 北区の道議・市議選挙では、動画で発信することにこだわりました。動画に特化したSNS「TikTok(ティックトック)」で、小室まさのり道議候補の一番多く見られた動画は2万5千回再生され、動画全部を合計すると5万回以上になります。戦争する国家づくりを許さないと訴えている動画に、批判的なメッセージも寄せられましたが、それだけ普段はつながれない層にも広がった証だと思います。

 動画は一度、投稿すれば「24時間」、どこでも候補の演説を見たり聞いたりできます。通勤や通学のときなど音声が出せなくても見てもらえるように必ず字幕はつけたり、BGMはフリー素材でよく使われているものを使用して親近感を持ってもらおうとしたりと、見てもらえるような工夫を凝らしました。

広域な北海道だからこそ、発揮できる役割も

 後半戦では釧路市に応援に行きました。そのとき、釧路市の隣の自治体である白糠町のかまだ民子さんの発信も強めてほしいと要望があり、白糠にオルグに入った同志と協力して動画やバナーをつくりました。隣と言っても、車がないと簡単には行き来できません。ですが、動画だと候補の訴えをいつでもどこでも直接聞くことができます。全道は一つでつながりを生かして支持を広げるきっかけになります。広域な北海道だからこそ、発揮できる力もあるのではないでしょうか。

メッセージの伝え方を磨いてこそ

 SNSは今までつながりのなかった人が共産党に興味をもつ入口になります。共産党を応援する多くの人が挑戦することに関心をもってもらえれば、新しい可能性が広がります。

 同時に、SNSと言っても、Facebook、Twitter、Instagram、LINEなどプラットフォームによっても、適切な伝え方は違いがあります。街頭宣伝でも時間帯や場所によって話す内容を変える必要があったり、チラシと後援会ニュースで表現の仕方や紙面の構成が違ったりすることと、似ているかもしれません。

 SNSも、街頭での音宣伝も、チラシも、共産党の綱領や政策に関心をもってもらうためにはどのように伝えたらいいのか、誰に届けるのか、相手の受け止め方は、なども意識して、メッセージの伝え方を磨いていくことが必要だと思っています。

 そして、その積み重ねが積極的な支持者を増やし、「しんぶん赤旗」の購読や入党を決意してもらうきっかけの一つになり、130%の党づくりにもつながっていくと考えています。

(「ほっかい新報」5月21日付より)