小樽市はこの4月から市立の小中学校全29校のトイレに生理用ナプキンの配布事業を始めました。市内の民主団体や日本共産党小樽市議団が求めてきたことが実現したものです。

 党市議団は、2年前から「トイレットペーパーのようにトイレに生理用品を」とくり返し質問。災害時の備蓄品に生理用品の入手が困難な市民が増えていることなどを示し、市に対応を求めてきました。

 今年3月議会の日本共産党の質問で市教育委員会は、「3月から市内の小中学校各1校をモデル校とし、生理用品を配置し使用状況や意見を集約している。成果や課題を分析し、市内小中学校の配置を検討していく」と答弁していました。その後、3月中旬に対象の児童・生徒にアンケートを行った結果、8割から「学校のトイレに生理用品が置かれていたら使いたい」と回答があり、実際に利用者が多数いたことから4月に全ての市立小中学校への配布を決めました。

 市は社会福祉協議会と協力し、生理用ナプキンを各学校の160枚配布。利用者のニーズに合わせられるよう2種類から選べる形にしています。配布された各学校は4月末までにトイレの個室や手洗い場などに設置しました。

 市は、1学期の終わりとなる7月末に利用状況や在庫数などを調査し、継続支援していく考えです。

 道内では他に帯広市や旭川市などで同様の取り組みが広がっています。

女性を大切にする社会へ公共施設全てに設置を

 議会で質問をした高野さくら市議は「全小中学校のトイレに生理用品が設置されたことは大きな前進です。今後は、公共施設全てに設置されるよう、市議団でさらに求めていきたいと思います」と話しました。

 毎年の市長要請で何度も要望してきた新日本婦人の会小樽支部の高野秀子事務局長は「すぐに実現したことを宣伝すると、小学生の子どもを持つ方から『娘がそろそろと思っていたので本当に助かります』などの声が寄せられました」と保護者の声を紹介。「毎月ある生理は女性の体にとって大きな負担です。ジェンダー平等の観点からも女性や母性を大切にする社会にするために、学校だけでなくさらに多くの施設で取り組みが広がってほしい」と語りました。

(「ほっかい新報」5月21日付より)