今年は、日本民主青年同盟の前身である日本共産青年同盟(共青)創立から100年です。

 共青創立100年にあたって、民青同盟北海道委員会の山本朱莉委員長に現在の青年を取り巻く実態や未来への展望について語ってもらいました。

民青との出会いが自分と社会が結びつくきっかけに

 今年は全国的に仲間が増えていて全国では1033人、北海道でも一年間で150人の目標のうち現在128人を仲間に迎えています。(4月6日時点)

 今、青年は社会と政治の変化を強く求めています。たとえば気候変動に関心がある学生は「動物が好きだから、気候変動で絶滅している動物が増えているのを見ると、すごく悲しい」と話し、民青の活動を紹介するとすぐにかみ合い加盟してくれました。

 「自民党政治がいいと思わない」「今の一強の政治は民主主義としてどうなのか」などの声も多く聞かれ、政治を学んでみたいと加盟している人も増えています。

 高すぎる授業料に低すぎる最低賃金、ブラック校則など、青年を取り巻く実態は深刻ですが、それらの問題が実は社会の問題だと気づき、自分と社会とが結びつくことで、社会を変える原動力となる、民青との出会いがそうした青年を増やし政治を変える力になると思います。

要求実現を前に変えていく運動を

 これまでにないほど、多くの仲間が増えているので、入ってくれた人の様々な要求実現をしっかり進めていきたいと思います。今言ったように、青年を取り巻く実態は深刻です。最低賃金引き上げは、労働組合とも一緒に協力して取り組めるような運動をつくっていければと思っています。

 大学の授業料については、東京では長年の民青等の運動で都立大学の実質学費無償化が実現しました。根本的には国の問題ですが、北海道でも民青の学生班と協力して道や各自治体に働きかけていきたいです。

 高校生のなかでは、まだ「ツーブロックがダメ」などの人権侵害となる「ブラック校則」がまかり通っている実態があります。高校生から声を集めて、変えていく運動を進めたい。

 また、統一地方選挙では地域班を中心に「日本共産党と一緒に政治を変える決議」を呼びかけ、多くの同盟員が選挙活動に立ち上がりました。また、青年学生後援会と医療後援会の青年メンバーが協同して青年カーを走らせたり、LINEで毎日ニュースを配信するなどの取り組みも進めてきました。

草の根の運動で憲法を守る声を過半数に

 6月の若者憲法集会(東京)に向けては、地域や職場、学園ごとに実行委員会をつくり憲法を守る声を広げていく草の根の運動に取り組んでいます。

 現在、道内に実行委員会は11ありますが、新しく仲間が増えたところなどでさらに会を結成し、その周りの青年の過半数を目標に世論をつくっていくことにこだわり、シールアンケートや署名宣伝をやっていきたいです。

自由に声を上げられる社会へ

 今の青年のなかには、たとえ理不尽さを感じていても、社会と自分とが結びついておらず、自ら声を上げることができない青年も多くいます。

 私は、未来の社会はもっといろんな問題でみんなが自由に声を上げられる社会になってほしいと思っています。

 今の若者憲法集会に向けた運動は、民青が今よりもさらに多くの同盟員を抱えていた60~70年代の運動を参考にして進めている、地域・職場・学園に根差した運動です。

 そのときに民青で活動していた方々が、ずっと憲法を守り続け、今もたたかっています。

 共青100年。憲法を守る新しい世代をつくり、政治と社会を変えていく世代をつくる、そのためにさらに多くの青年を仲間に迎えて運動を前に進めていきます。

(「ほっかい新報」5月7日付より)